2023年11月27日

報道関係各位

Linked Open Data チャレンジ 2023 実行委員会


【プレスリリース】Linked Open Data チャレンジ
Japan 2023 受賞作品発表


 Linked Open Data チャレンジ 2023 実行委員会(所在:国立情報学研究所、実行委員長:大阪電気通信大学教授 古崎 晃司)は、Linked Open Data チャレンジ Japan 2023(以下、LODチャレンジ2023)において表彰する作品を決定しましたので、お知らせします。
 LODチャレンジ2023は、さまざまな分野でデータの利活用にチャレンジされている方々に活動の発表の場を提供するために、新たなデータづくり、データ公開、データ共有の仕掛けやオープンデータ活用のアイディア、アプリケーションなどを「作品」として募集いたしました。2023年6月18日から10月15日の募集期間内に、計50作品のご応募を頂きました。
 そしてこのたび、Linked Open Data チャレンジ 2023 審査委員会(審査委員長:国立情報学研究所情報学プリンシプル研究系教授 武田英明)による審査を経て、下記の通り受賞作品が決定いたししました。

 これらの受賞作品は、2023年12月16日(土)に開催します LODチャレンジ2023 授賞式シンポジウム(会場とオンラインのハイブリッド方式での開催)により表彰いたします。また、当イベントでは受賞者による受賞作品のプレゼンテーションも行われます。多くの方のご参加をお待ちしております。


最優秀賞

作品IDd014
作品名 みんなで石仏調査 附 みんなで石仏調査LODテクニカルプレビュー
応募者名 小池 隆
審査講評 石仏(石造物)のデータを市民参加型で収集し、オープンデータとして公開するプロジェクトの成果です。 設立した石仏情報学会の「データに基づく石造物研究」の概念実証を目指して、LOD化した石造物データ、石造物オントロジー、SPARQL Endpointを公開していることを高く評価します。 また、2023年2月の公開から約30名の参加者によって16,000件を超えるデータを収集したことも素晴らしいです。 石造物のLODデータの収集方法・公開手法も含め、質・量ともに優れ最優秀賞として賞します。
副賞 賞金5万円



部門賞(データ作成部門)

優秀賞

作品IDd011
作品名 京都鴨川の桜マップLOD
応募者名 林 正洋
審査講評 京都、鴨川にある桜の木302本を調べ上げ、位置データとともに写真やお花見に適している程度などをまとめたデータセットです。 作成にあたっては一つ一つ丁寧に作られており、地域への愛を感じられる素晴らしい作品となっています。 他の撮影者による写真の追加や各種イベントとのリンク、鴨川以外のスポットへも同様の取り組みが広がるともっと面白いデータに発展していくかもしれません。 ぜひ挑戦を期待しています。
副賞 賞金2万円

優秀賞

作品IDd012
作品名 S×UKILAM(スキラム)教育メタデータLOD
応募者名 大井 将生、中村 覚
審査講評 本作品は、デジタルアーカイブ資料を用いた教材と多様な教育情報を、LODの特徴を活かし、さまざまなメタデータや外部コンテンツとの接続しやすい形で構造化したデータセットとなっています。 オントロジーによるスキーマ定義やSPARQLエンドポイントの提供など、データ公開の技術面も優れていることに加え、それらを利用し、豊富なデータを直感的なインタフェースで可視化するアプリケーションも開発されており、優秀賞に値すると評価いたしました。
副賞 賞金2万円


部門賞(データ活用部門)

優秀賞

作品IDu013
作品名 Wikidataによる2択クイズ生成
応募者名 大阪電気通信大学 古崎研究室
審査講評 Wikidataの内容を使って2択クイズを自動生成するアプリですが、実際に楽しく遊べるレベルに仕上がっています。 問題の難易度を調節する部分を含めてLODをうまく利用しています。 こういったWikidataやLODの活用の良い参考なる作品であり、優勝賞に値すると評価いたしました。
副賞 賞金2万円



テーマ賞

公共LOD賞

作品IDd033
作品名 テレビ局LOD
応募者名 藤岡 雄大
審査講評 地上波テレビ局、全国のNHK放送局の、エリアやチャンネル情報、局同士の関係などを独自スキーマだけでなくSchema.orgを再利用して記述されています。 さらに、Wikipedia等のテレビ局情報や、統計LODの地域コードなど既存のデータも再利用しており、LODとして完成度が高いといえます。 情報がどの局からどのエリアに配信されているか、非常時に網羅的に情報を配信するための放送局リストの推定など、放送という特性を活かした公共性の高い情報配信を考える基盤データとして活用できるのではないでしょうか。
副賞 賞金5千円

地域振興LOD賞

作品IDd007
作品名 全国ご当地おにぎり選手権
応募者名 鈴木 なつ
審査講評 日本全国のご当地おにぎりに関する情報をさまざまなサイトから収集し、都道府県ごとにまとめたデータセットです。 地方ごとに多様なおにぎりが存在するという驚きを与え、またおにぎりを通して各地方の食の特色への理解を促進します。 今後は、同じおにぎりや類似したおにぎりを紐づけたり、具材に関するデータを追加したりすることで、さらにリッチなデータとなることを期待します。
副賞 賞金5千円

防災LOD賞

作品IDu008
作品名 DP Note 災害データ可視化&防災図解による情報発信
応募者名 齋藤 仁志
審査講評 災害データを可視化し、防災図解による情報発信を行うWEBアプリサービスを開発しています。 統計的に中立的な視野で、視覚的に表現しており、防災に対する意識・理解を高めることや、減災に向けた対策に資するものであります。 災害に関連する多種多様なオープンデータや技術を活用して、表現力を高めていることを評価いたします。 今後、LODを利用して、継続して発展的な取り組みとなることを期待して、「防災LOD賞」を新設し表彰いたします。
副賞 賞金5千円

オープンサイエンス賞

作品IDu012
作品名 日本語レシピ-食材知識グラフ (JapaneseFoodKG)
応募者名 吉丸 直希、波多野 賢治
審査講評 大規模なレシピデータ(約200万件)と日本食品標準成分表に掲載された栄養素データを用いて日本語レシピ-食材知識グラフを構築するプログラムを作成しています。 本作品で用いられているクックパッドデータセットと楽天レシピデータセットは、国立情報学研究所を通じて研究者に提供されています。 今後、本作品が学術・研究に活用されることを期待し、「オープンサイエンス賞」を表彰いたします。
副賞 賞金5千円

カルチャーLOD賞

作品IDd032
作品名 本に出てくる図書館のデータ
応募者名 ししょまろはん
審査講評 様々な作品中に出てくる個々の図書館・文化施設がどのような形で作品の中で紹介されているか、取り上げられた図書館サービスの種類や解説も丁寧にまとめていて、本好きや図書館に関心を持つ人たちにとって興味深く、見ているだけで楽しいデータセットとして読書文化や図書館文化の醸成に向けた取り組みとして期待できます。 現時点で対象作品数はさほど多くないため、今後、さらに多くの作品と図書館の情報をつなげる取り組みを広げていくことを期待します。
副賞 賞金5千円

地域課題分析賞

作品IDd019
作品名 静岡県静岡市葵区呉服町通りのポイ捨てゴミの種類と個数
応募者名 ぽいだめ
審査講評 ポイ捨てゴミ削減という地域課題解決のためのアプリ作成に向け、商店街にポイ捨てされたゴミの個数を種類別に集計した作品です。 データが無ければ、自らフィールドに出て収集するという計画力、実行力を評価いたします。 この取り組みが継続し、本データの分析結果や本データを活用したアプリが地域課題の解決に繋がっていくことを期待しています。
副賞 賞金5千円



学生奨励賞

学生奨励賞

作品IDd017
作品名 サブネーム・ステーションズ
応募者名 ユース鉄道研究会
審査講評 本来の駅名に追記された副駅名をまとめたデータセットです。 副駅名は地域名や駅の周辺施設などを示したもので、駅を利用する人に向けた重要な情報といえます。 これに着目し全国の副駅名を調査しデータセットにまとめ上げたことを高く評価します。 今後、副駅名に示された施設などへのリンクを整備するなど、さらに鉄道利用を楽しくするデータ作成の取り組みを広げていくことを期待します。
副賞 賞金5千円



ゴールドスポンサー賞


IIJ賞(株式会社インターネットイニシアティブ)

作品IDd007
作品名 全国ご当地おにぎり選手権
応募者名 鈴木 なつ
審査講評 全国のご当地おにぎりのデータを集めたデータセットです。 それぞれの地方や組織で公開されているおにぎりデータが、横断的にアクセス可能となることで大きな価値を生む可能性を持つことに驚きました。 共通語彙基盤Liteで記述されておりアプリケーション開発のアイデアも広がります。 このデータセットから、お米の消費促進や農業、そして農業IoTなどの最新技術へもつながっていく大きな可能性を感じました。
副賞 amazonギフト券

ソケッツ賞(株式会社ソケッツ)

作品IDd033
作品名 テレビ局LOD
応募者名 藤岡 雄大
審査講評 Wikidataなどの既存のオープンデータを活用して、日本のテレビ局の情報を体系的に整理された作品です。 スキーマ情報の提供や、w3id.orgの識別子の利用、エンティティURL参照時のコンテンツネゴシエーションなど、LODとして丁寧に作られています。 衛星放送などへのデータ拡充や、再編などによって変化し得る情報の管理方法など、さらなる発展を期待しています。
副賞 ノベルティグッズ(予定)



本発表に関するお問い合わせ先

Linked Open Data チャレンジ 2023 実行委員会 事務局
office@lodc.jp